アスペルガー症候群は、発達障害の中の自閉スペクトラム(ASD)のひとつです。

発達障害の中の自閉スペクトラムASDのうち、知能の遅れのないものをアスペルガー症候群と呼んでいます。

アスペルガー症候群の3つの特徴


1.社会性の障害

(長所)
ひとりでいても寂しくない
ルールをきちんと守る

(短所)
周囲から浮いてしまう
対人関係が苦手
自分ルールを相手に強要する
自己中心的と思われることがある

2.コミュニケーションの障害

(長所)
正確な言葉を使おうとする
数や量を正確に測る/表現しようとする
  
(短所)
話がまわりくどい
会話が一方的
相手の表情を読み取るのが苦手
相手にかまわずに話続けることがある

3.イマジネーションの障害

(長所)
絵や写真で見ると理解が早い
いつも同じ秩序を保とうとする
興味のあることへの集中度が高い
  
(短所)
変化への対応力が弱い
目で見えないものが理解・記憶しにくい
興味関心の範囲が狭い
行動を妨げられるとパニックになる

4.そのほかの特徴(人それぞれあらわれかたが違います)


睡眠の異常(眠りすぎる、どこでも寝てしまう、極端な夜型など)
過集中(寝るのを忘れるほど何かに没頭)
感覚過敏(音、肌触り、光、味覚など。掃除機や洗濯機などの特定の音が苦手、洋服のタグが苦手など)
感覚鈍磨(疲れを自覚しない、気温を感知しないなど)
(参照:国立精神・神経医療研究センター ホームページ)

一般的に、これらの特徴が日常生活に「困り感」をもたらしている場合が問題となってくるのですが、一方では、苦手なことも自分なりに学習して、対外的には問題なくみえているアスペルガーの方も多いです。過集中などの特性を学習に生かして、弁護士・学者・医者・社長などの地位についている人も一定数います。

とはいえ、外では問題が起こらないように気を張っているぶん、リラックスできる家庭内では緊張感から解放されて、よりその特性が強くでている場合もあります。

アスペルガーは生まれつきみられる脳のはたらきかたの特性です。その状態が本人にとっての当たり前なので、本人が「困り感」を感じていない限り、自分から「アスペルガーではないか?」と気づく人は多くありません。

では、大人になってから「成人アスペルガー」だと気づくのは、どのようなときでしょうか?

一番多いパターンは、うつなどで受診した際に、問診等からわかるケースです。診察の際に、小さいころからの成育歴を聞かれるなかで、うつは発達障害の2次障害だと指摘されるのです。

次に典型的なパターンは、子どもの発達障害で受診している母親が、子どもの特性を学んでいくうちに「子どもだけでなく、夫も同じ特性をもっているのでは?」と気づき、夫に指摘するケースです。この場合は、夫婦のことと子供のことを抱えて、母親がへとへとになっている場合が多いのが特徴です。また、困り感を感じていないケースも多く、子どもと自分の障害を受け入れることに抵抗を感じる方もめずらしくありません。

アスペルガー症候群は、大きく3つのタイプに分けられます

アスペルガー症候群は、社会性の特徴(対人関係の特徴)の観点から、3つのタイプに分けられるといわれています。

ただし成長するにしたがってタイプが変わることもめずらしくありません。

1「孤立型」

他人と話したり、関わったりするのが苦手で、一人を好むタイプです。

話しかけても反応が薄いので、そのことがますます人を遠ざけることにつながりがちです。自分からコミュニケーションを取りにいこうとせず、また、関わられることを避けがちです。

一度安心感を抱いた相手に対しては、それなりの親しみをもって人間関係を築くのですが、悩みを打ち明けたり本音で語ったり、ということが苦手で、人間関係が表面的になりがちなので、「親友」と呼べる友達ができにくいタイプともいえます。

2「受身型」

自分から積極的に関わろうとはしませんが、誘われれば断らない、というタイプです。

対人関係は基本受身で、自分の意見を主張することはないので、一見すると、集団の中でもとても上手にやっているように見えます。「聞き上手」と思われていることも多いです。ですが、まわりの人たちの意見が食い違うときに、自分の意見を求められると、何と言っていいのかわからずに混乱してしまうことがあります。ふたりだけの会話はスムーズでも、大人数の会話が得意ではありません。

また、断ることが苦手なので、言われるがままに能力以上のことを引き受けてしまい、内心ではパニックになっていることもあります。

3「積極奇異型」

知らない人にも臆することなく積極的に話しかけたり、接したりするタイプです。明るくおしゃべりでムードメーカーのようでもありますが、相手の反応には無関心だったり、内容がワンパターンだったり一方的だったりという特徴があります。なれなれしすぎる、とか、距離感が近すぎる、と言われることが多いです。

このように、おおまかに3つのタイプに分類できるとはいうものの、このタイプは固定されたものではありません。成長の過程で様々な経験をしたり、療育や日常生活から学んだりすることで変わっていくことも多いです。

特に、子供のころには積極奇異型だった方が、大人になって孤立型や受身型になっていくというパターンは、めずらしくありません。

参考:「よくわかる大人のアスペルガー」梅永雄二監修(主婦の友社)

まとめ

自閉症スペクトラム(ASD :Autism Spectrum Disorder) のひとつが、アスペルガー症候群です。アスペルガーといってもそのあらわれ方はバラエティに富んでいて、特性の現れ方の強弱があったり、成長に従って変化したり、と、個人差があります。

ただし、その特徴や言動のおおもとになっているもの=特性は共通しています。