カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群は正式な病名ではなく、自閉症スペクトラム(ASD)の人と日常的に関わる人に起こる状態のことをいいます。

気持ちを共有することが苦手という人に接し続けるつらさと、そのつらさを他人に話しても理解してもらえない苦しさとで、心と体に不調が出てしまう、これがカサンドラの状態です。

パートナーのタイプやこだわりはそれぞれ違うものの、アスペルガーの本質的な特性によってカサンドラになった人には、次のような共通の特徴があげられます。

  • 怒り・不安
  • 無気力感
  • 抑うつ状態
  • 自己評価の極端な低下
  • 不眠・片頭痛・体重の増減
  • 免疫力の低下 など

最近は発達障害についての理解も広まり、特に子どもの発達障害に関しては、早期発見の体制、適切な療育や支援機関が増えつつあります。

それと同時に、自分の子どもの発達障害に向き合う中で、パートナーにも同じ特性があることに気がつくパターンがとても増えています。

このように、発達障害がだいぶ認知されてきているのに対して、カサンドラについては、その言葉自体まだまだ世間に知られておらず、相談機関や支援の窓口も限られています。インターネットでたまたまカサンドラに関する情報にたどり着いてはじめて、自分がカサンドラ状態にあると気がついた、とおっしゃるかたが大半なのが実情です。

カサンドラなのはあなただけではありません。まずは理解者や仲間とつながりましょう

カサンドラの苦しみは言葉にするとたいしたことないように聞こえてしまうので、「うちも同じよ」と言われたり、「よくある愚痴」とひとくくりにされたりしてしまいます。

まずは、気持ちを共有できる仲間や相談相手を見つけてみましょう。同じような人がいるのだと知るだけでもずいぶんとほっとできるでしょうし、いろいろな前提条件を説明することなく自分の思いをわかってもらえると心が軽くなります。対面で話ができなくても、オンラインのワークショップもありますし、SNSやブログで情報発信をしている人とつながることも可能です。

ただし、カサンドラの理解が不十分な相手に相談をしてしまうと、かえって傷つくことがあるかもしれないので、相談相手は慎重に選ぶことが大切です。

アスペルガーの特性を理解する

本やインターネットでアスペルガーの特性について勉強しましょう。アスペルガーにもいろいろなタイプがあるので、本などで紹介されているものが必ずしも自分たちにぴったり合うとは限りません。どのような対応や言葉かけが有効か、いろいろ試してみるといいです。子どもの療育の本も参考にしてみましょう。

自分軸を取り戻す

自分軸を取り戻す、というのは、自分はこう感じる、自分はこうしたい、などのように、「自分」を主語にして考えられるようになることを言います。

こう書くと簡単なことのようですが、実はカサンドラからの回復のためには一番大切で一番難しいことかもしれません。

カサンドラ状態の人の傾向として、「夫にここを直してもらいたい」「夫にこうしてほしい」と、相手に注目して物ごとを考える習慣がついてしまっていることが多いです。日々パートナーの言動に振り回される悩みに向き合い続けているからです。

カサンドラから脱するには、この視点を変換して、「主語を自分」に変えていくことが本当に大切です。

自分の気持ちと向き合い、自分はどうしたいのか、何が心地よくて何が苦手なのかを考えてみます。そして、日常のなかでも「自分がこうしたい」と思うことを優先するように心がけましょう。そうすることによって、夫婦関係を維持するために押し殺していた自分の気持ちが解放されて、少しずつ楽になってくることでしょう。次第に、夫婦がうまくやっていける関係や、今後の生き方を探る余裕も生まれてきます。

まとめ

ASDの人と日常的に関わることの悩みは、周囲から理解されにくく、孤立してしまうことが多く、メンタル面と身体面に不調をきたしてしまうこともあります。この状態をカサンドラといっています。

信頼できるサポーターや仲間とつながりましょう。

自分はどうしたいか、自分はどう思うか、など、意識的に「自分の気持ち」に目を向けるように心がけてみましょう。