離婚のときに忘れないでほしいことのひとつに、年金分割の制度があります。年金を分割することで、今まで納めてきた年金の支払い実績を分け合い、将来的に相手の年金の一部を自分の年金としてもらえるようになります。

年金分割の制度は、熟年離婚の場合の夫婦間の公平を実現するために平成16年に導入された、比較的新しい制度です。これにより老後の資金を確保しやすくなり、結果として熟年離婚の増加につながっています。

なお、再婚した場合や離婚後に元配偶者が死亡した場合も、分割した年金は受け取ることが

できます。

年金分割の対象となる年金は厚生年金のみです

「すべての年金が半分」になるのでは、という誤解がありますが、年金分割はあくまでも結婚していた期間に該当する「厚生年金・共済年金」の部分だけを分けることになります。「国民年金」「厚生年金基金・国民年金基金」に当たる部分は対象になりません。

実際には、数十年の婚姻期間がある場合でも、もらえる年金は平均して月々数万円程度のことが多いです。

年金分割が利用できる夫婦はどんな夫婦?

【年金分割ができる場合】

  1. 会社員同士の離婚
    夫婦ふたりが会社員(2号被保険者)の場合、厚生年金の多い方から少ない方に分割します。
  2. 会社員と専業主婦または扶養内パートの離婚
    会社員(2号被保険者)と主婦または扶養内パート(3号被保険者)の場合、会社員の納付した厚生年金を分割します。
  3. 自営業と会社員の離婚
    自営業(第1号被保険者)の方は厚生年金を納めていないので、会社員の方が納めている厚生年金を分割します。

【年金分割ができない場合】

自営業と専業主婦または扶養内パートの離婚の場合は、夫婦ともに厚生年金を納めていないので、年金分割ができません。

年金分割の期限

年金分割の請求期限は、原則として離婚した翌日から起算して2年以内です。離婚後でもできますが、特にお金の話はこじれがちですし、相手と連絡が付かなくなってしまったりすることもあるので、離婚前に協議しておくとよいでしょう。

まとめ

年金分割できるのは、厚生年金のみです。納付額の多い方から少ない方に分割します。

国民年金のみを納めている自営業者・学生・非正規雇用者の配偶者は対象となりません。

離婚後2年以内に申請手続きが必要です。