すべての共有財産をリストアップして、お互いの希望を出しながらひとつひとつ決めていきましょう。
財産分与は次の手順で行います。
- はじめに、夫婦それぞれが持っている対象財産を書き出してみます。忘れがちなのは、ネットバンキング口座、住宅ローンなどの借金・負債などです。漏れのないようにリストアップします。
- 各財産を算出して、総額を計算します。
- プラスの財産の合計額からマイナスの財産の合計額を引きます。これが財産分与の対象金額になります。
- 財産形成への貢献度を考慮して分与の割合を決めますが、基本的に分与割合を2分の1とするケースが大半です。
- 分けかたを決めます。
金銭以外の財産は、売るのか分けるのかを決めましょう
トラブルが起きにくく、最も簡単に分ける方法は、すべてを現金化してその金銭を分けることです。一番すっきりとする方法でもあります。わかりやすく2等分できるメリットの半面、デメリットは、家具や家電など、中古での買い取り価格が大変低くなってしまうことです。
そこで、思い出があって手放したくないもの・売りにくいものは、購入した時の価格や使用年数などをもとに、だいたい半分ずつになるように分けて引き取る、というやり方もあります。その際には、価値が高いものには税金がかかることもあることに注意しましょう。
対して、金銭での支払いには、原則税金がかかりません。
金銭以外の財産を売る場合の評価方法はどうしたらいい?
リストアップした共有財産をひとつひとつ検討していきましょう。
具体的に見ていきます。
住宅などの不動産
評価方法はたくさんあるのですが、おすすめは不動産屋に無料で査定してもらうことです。近所の不動産屋に行き、「売却を検討しているので、簡易査定をお願いします」と依頼します。不動産の登記簿謄本を持参するといいです。
そのほかにも、インターネットで査定をしてくれる業者もあります。
「固定資産税評価証明書」に記載の金額を参考にするのもひとつの方法です。ただし、固定資産税評価証明書に載っている金額は課税のためのものなので、市場価格と比べるとだいぶ低くなっていることにご注意ください。
★評価額からローン残高を差し引いて考えます。名義変更の手続きや譲渡税なども考慮に入れます。
車
中古車販売サイトで査定してもらえます。ディーラーにも見積もりを取ってみるといいでしょう。見積もりの際には、車種、グレードと年式、走行距離、車検の時期、車検証の写しなどが必要になります。
★評価額からローン残高を差し引いて考えます。名義変更の手続き、税金、保険料、駐車場の確保なども考慮します。
株など有価証券
取引証券会社に査定を依頼します。または、保有証券の評価額でも大丈夫です。
★譲渡する場合は、名義変更手続きが必要になります。
生命保険
解約保険会社で、解約返戻金(かいやくへんれいきん)計算書を出してもらいます。その時点で解約した場合にいくら戻るのかがわかります。
★掛け捨て保険は対象外です。解約したくない場合は、名義や受取人の変更などが可能かどうかを確認します。
学資保険
中途解約して解約返戻金を清算することも可能ですが、子どもの将来を考えて積み立てている学資保険は、親権者に渡されるのが一般的です。
★今後の保険料を誰が支払うのかも考えましょう。
退職金
近い将来もらえることが予想される退職金も財産分与の対象です。対象となる退職金は、勤続年数のうち、婚姻期間分のみです。雇用契約書や就業規則などで、退職金の有無や見込み額を調べます。すでに支払われた場合は、退職金計算書や通帳で確認します。
美術品・骨董品・貴金属など
古物商や美術館鑑定士に査定を依頼します。
★相続したものは対象外です。美術品・骨董品は思ったような値が付かないことが多いです。
家具・家電
リサイクルショップで査定を依頼します。
★値段がつかないこともあります。フリマアプリやローカル掲示板などでの売却も検討してみましょう。
まとめ
財産分与は、離婚のときに決めておくべき「お金」に関することのうちで、最も高額になりやすいので、話し合いの中心になりことが多いです。
結婚していた期間が長ければ長いほど、対象となる財産も多くなる傾向にあります。漏れのないようにしっかりとリストアップし、ひとつずつ慎重に検討しましょう。
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