夫婦の話し合いでは決着がつかない場合は、調停離婚へ

相手が離婚に応じない、離婚の条件がまとまらないなど、協議離婚が難しい場合は、「調停離婚」を考えましょう。

調停は、夫婦それぞれが指定された日に何度か家庭裁判所に出かけていき、「調停委員」という調整役と話を重ねて、夫婦の合意を目指す方法です。

調停離婚は、日本の離婚の約9パーセントを占めています。

調停委員ってどんな人?

調停委員は、「調停に一般市民の良識を反映させるため社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持つ人や、地域社会に密着して幅広く活動してきた人など、社会の各分野から選ばれています。」(公益財団法人日本調停協会連合会HPより)

年齢は40代から70代、弁護士、医師、大学教授、公務員、会社や団体の役員や理事、公認会計士、税理士などの職業の人がいます。

調停の申立費用はいくらかかる?

調停を申立てるときにかかる費用は、収入印紙代1,200円と、通信等に使うための切手代です。だいたい2,000円ほどになりますが、詳しくは家庭裁判所の受付窓口でお尋ねください。

調停離婚のメリットとデメリット

【メリット】

  • 夫婦が顔を合わせずに話をすすめられます。調停の初日と最終日は夫婦が同席して、調停の説明や決定したことの確認をしますが、状況によっては、説明を別々にする配慮も行われています。それ以外は夫婦が直接顔を合わせることのないようになっています。トイレや階段などで偶然顔を会わせることのないよう、「別時別階」といって、時間や待合室の階を分けるということが行われる裁判所もあります。
  • 相手と同席すると自分の意見を言えない、会うこと自体がストレス、という人にはおすすめの離婚方法です。
  • 第三者に公平・中立の立場から調整を図ってもらえます。調停委員は、中立的な立場から夫婦の話を交互に聞いて、夫婦の意見を調整します。どちらか一方に肩入れすることはできないので、ふたりだけで話し合うよりも公平な条件が導きられやすいです。
  • お互いが離婚条件に納得して調停が成立すると、「調停調書」が作成されます。調停調書があれば、将来お金が支払われなくなった場合に強制執行ができます。

【デメリット】

  • 相手が調停に応じることが前提です。調停に応じないと話し合いができず、調停が不成立となり、審判や訴訟に移ります。そうなると、離婚までさらに時間がかかってしまいます。
  • 平日の昼間に数回、1回2~3時間程度、家庭裁判所に行く必要があります。多くの場合は、決着までに3~6回調停を重ねています。
  • 調停を申立ててから調停が始まるまでにも1か月~1か月半程度かかります。その後の話し合いは1~2か月に1度のペースなので、離婚が成立するまでに時間がかかります。
  • 調停委員は公正な立場ではあるものの、うまく自分の意見が主張できないと、自分に不利な条件で調停が成立してしまうこともあります。

納得できなければ、受け入れなくてもいい

調停は合意を強制するものではないので、納得のいかないときには受け入れなくてもかまいません。その場合は「調停不成立」となり、もう一度調停を申し立てたり、裁判に進んだりすることもできます。また、調停の途中で考えが変わった、時間をおいて考えたくなったときには、調停を取り下げることができます。

調停離婚の流れ

家庭裁判所に調停を申し立てる
申立書は家庭裁判所の窓口かホームページから入手します。
裁判所から夫婦双方に呼出状が届く
申立書が受理されてからだいたい2週間くらいで届きます。
調停
1か月~1か月半に1回のペース、平日昼間に2~3時間程度です。夫婦それぞれから調停委員が話を聞きます。
調停成立
夫婦ともに離婚の意思が固まり、取り決めることすべてに合意ができたら調停成立となります。内容を裁判官が口頭で確認、調停調書が作られ、この日付が離婚日になります。
離婚届を提出
調停の日から10日以内に、市区町村の役所で提出。

まとめ

調停離婚では、調停委員が夫婦の間に入って話し合いの合意を目指します

調停離婚は、日本の離婚の約9パーセントです

夫婦が顔を合わせて話し合わなくてよい反面、時間がかかるというデメリットがあります

いい意味でも悪い意味でも、家庭裁判所の一般的基準に照らした離婚条件に落ち着くことが多いです。きめ細やかな条件という点では、協議離婚には劣ります

【参考】東京家庭裁判所のホームページはこちら

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