性格も育った環境も違うふたりが、お互いの違いや価値観を認めあって協力することが「結婚生活」です。ですが、そういったことができずに、婚姻生活が修復不可能なほどに壊れてしまっているような場合、調停・裁判では離婚が認められることが多いです。このことを、「破綻主義」といいます。
婚姻の破綻とは、夫婦の信頼関係が失われていること
離婚に至る原因の多くが「性格の不一致」です。この理由で離婚を望む場合は、まずは話し合いをしてください。夫婦ふたりが「性格の不一致」による離婚を望んでいて、話し合いで折り合いがつけば、協議離婚が可能です。
しかし、調停や裁判では、「性格の不一致」だけでは、離婚が認められることはあまりないです。
それに加えて、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」があるとき、つまり、お互いの信頼関係がなくなったことを示す客観的な事実があれば、調停や裁判で折り合いがつく可能性が高まります。
たとえば、「夫の妻に対する行動管理が厳しすぎることを発端に、お互いの意思疎通が難しくなり、別居している」「お互いに、もう夫婦関係を修復する気はない」という客観的な状態があれば、離婚が認められることが多いです。
婚姻関係の破綻①:長期間の別居
長期間別居していて、そのあいだ夫婦間で接触がない、など。一時的な別居ではなく、数年にわたって別居していることが必要です。
よく、「何年別居すれば、離婚できるでしょうか」という質問がありますが、一律に何年という決まりがあるわけではなく、両当事者の年齢や、同居期間との対比などを含めて、すべての状況を総合的に判断されます。
婚姻関係の破綻②:生活費を渡していない
パートナーや子どもに生活費を渡さないことは、夫婦の扶養義務を怠っていることになります
婚姻関係の破綻③:夫婦二人とも、修復の気持ちがない
性格の不一致などがあっても、お互いが理解しようという努力や、相手を受け入れる気持ちがあれば克服できるとされています。しかし、もうお互いに結婚生活を継続する気持ちがない場合。
破綻主義とは
裁判離婚では、どんな理由があれば離婚が認められるのか、については、大きくわけて「有責主義」と「破綻主義」の二つの考え方があります。
【有責主義】
・一方の配偶者が有責、つまり法定の離婚原因を作った場合にのみ、離婚を認める
【破綻主義】
・夫婦が婚姻継続の意思を実質的に失っていて、婚姻生活を回復するのが不可能と客観的に判断できる場合に離婚を認める
明治民法では、基本有責主義でしたが、今の民法では、破綻主義をとっているとされています。「もうやりなおせない」という客観的な事実があれば、裁判で離婚を認めてもらえる可能性があると考えられるのです。
まとめ
裁判では、婚姻関係が破綻していて、修復不可能な場合には、離婚が認められる可能性があります。
婚姻関係の破綻の有無は、客観的に判断されます。
客観的判断の大きな要素は、相当期間の別居です。ある程度長期、、別居が継続していれば、婚姻関係の破綻が事実上推定されます。
どのくらいの期間の別居が必要か、は、個々のケースでケースバイケースです。
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