「有責配偶者」とは
有責配偶者というのは、民法が定める離婚原因を作ったほうの当事者の当事者のことをいいます。
有責配偶者からの離婚請求が認められる要件
【例】私の浮気が原因で別居にいたり、もう5年になります。もとに戻れる見込みがないので、そろそろ離婚をしたいと思います。私からの離婚請求は認められるでしょうか?
協議離婚では、お互いの話し合いで合意できれば離婚できますが、裁判離婚では次のような要件が、総合的に考慮されます。
- 夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において、相当の長期間に及んでいること
- 未成熟子がいないこと
- 相手方配偶者が離婚により、精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状況に置かれるなど、離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと
相当の長期間の別居ってどのくらい?
裁判所の考えは、離婚原因を主に作った方からの離婚請求でも、別居が相当期間に及んでいる場合には、婚姻関係の破綻が一応認められる、というものです。
ここで気になるのは、「具体的に何年くらいの別居が必要か」ということでしょう。
これは、判例でも明らかにされていません。6年弱で認めた例もあれば、8年でも認められなかった例もあります。
もう一方の配偶者の責任がどのくらいあったか、婚姻費用を支払ったか、財産分与や慰謝料は十分な額をきちんと払おうとしているか、など、「公序良俗」「信義誠実」の考えに基づいて、具体的な事情が総合的に判断されると考えて下さい。
まとめ
不貞行為など離婚原因を作った本人からの離婚請求を、「有責配偶者からの離婚請求」といいます。
有責配偶者からの離婚請求が認められる要件は、①別居期間が長期間 ②未成熟の子がいない ③離婚によって相手が経済的・社会的・精神的に過酷な状況に置かれない ということです。
有責配偶者からの離婚請求が認められるためには、相手に対する誠意を客観的に示すことが大切です。
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