離婚の総数のうち、裁判にまでいくケースはわずか1%しかありません。裁判離婚がここまで少ない理由はなぜでしょうか。裁判離婚の概要と、メリット・デメリットを説明いたします。
裁判離婚とは何でしょう?
裁判離婚では、「民法が定める離婚理由があるかどうか」を裁判所に判断してもらいます。
離婚理由があれば離婚の判決が下り、原因がなければ離婚の判決が下されません。
離婚の判決が下されないと、いくら夫婦の一方が離婚したくても、離婚することはできません。
また、離婚裁判になったとしても、すべてのケースで判決が下されるわけではありません。
というのも、離婚裁判手続きになっても、裁判所はまず絶対に和解をすすめてくるからです。
裁判にまでなったものの、もう一度お互いの妥協点を探して和解する「和解離婚」に至るケースが半数以上、和解が無理な場合にはじめて判決になります。
これがあれば離婚できる!民法の定める5つの離婚理由とは?
夫婦での話し合いや調停での離婚では、離婚の理由はどんなものであれ、夫婦が合意すれば離婚できます。
それに対して、裁判離婚では、次の5つのうちのいずれかに該当しない限りは離婚が認められません。
- 配偶者の不貞行為があった
- 配偶者から悪意で遺棄された:生活費を渡さない、家出を繰り返すなど
- 配偶者の生死が3年以上不明:家出したきり連絡がない、自然災害など
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
- 1~4に該当しなくても夫婦関係が破綻しているとき:DV、借金、犯罪による服役など
裁判離婚のメリットとデメリット
【メリット】
・勝訴すれば必ず離婚できる
相手がいくら離婚に反対していても、必ず離婚できます。
【デメリット】
・コストがかかる
自分の力だけで勝訴を勝ち取ることは難しいので、弁護士に依頼することが多いです。そのため、着手金・報酬がかかってきます。離婚裁判の弁護士費用は、離婚調停に比べて高額です。ケースによりますが、数十万~100万円以上見込んでおく必要があります。
・時間がかかる
判決が出るまで年単位になることも多いです。また、調停を経てからでないと裁判を起こせないので、調停の期間を加えると、離婚できるまで長期化してしまいます。
・精神的な負担が大きい
判決が出るまでの長い期間不安定な状態におかれるため、大きな精神的ストレスになります。また、相手が自分を非難攻撃する主張をしてくる場合も多く、メンタル面でダメージを受けたり、憎しみがつのることもあります。
・強制力がある
敗訴した場合には、納得がいかなくても従わなくてはいけません。
・プライバシーが公になる
離婚裁判は公開が原則なので、誰にでも傍聴されてしまいます。
・証拠が必要
勝てるだけの証拠がないと裁判ができません。証拠を集めるために探偵を依頼するなど、さらに費用がかかってしまうこともあります。
まとめ
裁判で離婚を争うには、法律が定める離婚理由があることが必要です。
勝訴すれば、相手の意思にかかわらず離婚が成立します。
時間や費用がかかり、精神的苦痛も大きいことがデメリットです。
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