子の氏の変更:離婚後の子供の苗字(氏)について
離婚後、子供の苗字(氏・姓)はどうなるか
日本では、婚姻の際に妻が夫の苗字に変えていることがほとんどです。この夫婦が離婚する際には、「妻」が「結婚前の戸籍(親の戸籍)に戻る」のか、「自分を筆頭者とする新しい戸籍を作るのか」を決める必要があります。
結婚前の戸籍に戻る場合、妻の苗字は自動的に旧姓になります。それに対し、妻を筆頭者とする新しい戸籍を作る場合には、旧姓か婚姻時の姓のどちらを名乗るか、選ぶことができます。
婚姻時の姓を名乗り続けたいときには、離婚から3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」というものを出さなくてはいけないのですが、実際には、離婚届提出の際に一緒に提出することがほとんどです。役所の係員が声をかけてくれることが多いです。
子どもの戸籍と苗字はどうなるか
上記のように、離婚によって、(この場合)妻は、夫が筆頭者の戸籍から抜けることになります。
けれども、両親の離婚が、子の戸籍と苗字に影響をすることはありません。子どもはそのまま父の戸籍に記載されたままですし、苗字も変わりません。母が親権者となって、子と暮らしていても、母と子は戸籍も苗字も別々になってしまいます。そうならないためには、子どもを母の戸籍に入れて、母の苗字を名乗らせる必要があります。
手続きは、次のような流れです。
①まず、離婚届提出の際に「新しい戸籍を作る」にチェックを入れてください。
②離婚が反映されて母の新しい戸籍ができたら、その戸籍謄本を添付して、子の住所地を管轄する家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申し立て」を行います(郵送でも可)。
管轄は、こちらを参照ください https://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/kankatu/index.html
③しばらくすると、家庭裁判所から「許可審判書」が送られてきます。これを持って再度役所に行き、「入籍届」を出してください。
子の氏の変更の申立てに必要な費用と必要書類
・収入印紙:子ひとりにつき800円
・連絡用の郵便切手:子ひとりにつき84円×3枚、10円×3枚(令和6年10月以降変更予定) ※未成年の子複数人分を1通の申立書で申立てする場合は、1人分で可
・申立書
・子の戸籍謄本全部証明書
・父・母の戸籍謄本全部事項証明書(離婚の記載のあるもの。ない場合は、現在の戸籍謄本+離婚の記載のある除籍謄本)
離婚後に名乗る「婚姻時の姓」は、「婚姻期間中の姓」とは別ものです
例えば、婚姻中に夫の氏である「山田」を名乗っていた妻が、離婚後も引き続き「山田」を名乗るケースはよくあります。
仕事上の関係など、「山田」で築き上げた人間関係をそのまま継続できること、手続き上の負担が少ないこと、まわりに気づかれないことなど、婚氏続称のメリットは大きいためです。
ただし、この「山田」は、あくまでも新しい戸籍上の「山田」なので、婚姻時の「山田」とは別個とお考え下さい。
まとめ
詳細は家庭裁判所のHPを参照ください。