養育費の放棄は絶対に避けましょう

養育費の額を考えるにあたっては、子どもが一人前になるまでにいくらかかるのかを把握する必要があるとお伝えしました。きのうは「教育費」について考えたので、今日は「生活費」をみてみましょう。

生活費を考えるにあたっては、いろいろなやりかたがあるのですが、私は家計簿の支出項目をイメージしています。

例えば、

  • 食費(ミルク・離乳食・おやつなども)
  • 日用品(おむつ・文房具・歯ブラシ・消耗品・寝具など)
  • 服飾費(普段着・下着・パジャマ・靴・水着など)
  • 医療費(予防接種・薬・病院までの交通費など)
  • 娯楽費(映画・旅行など)
  • お小遣い
  • 携帯代
  • 学資保険代
  • 書籍代 など

こういった項目ごとに、今現在1か月あたりいくら子どもにかかっているかを書き出してみます。そして、その金額×養育費の終わりの月までの回数を計算します。ただ、お小遣いや携帯代など子どもの年齢に応じて金額が変わってくるものは、適宜調整してみてください。

さらに、誕生日プレゼント・クリスマスプレゼント・お年玉・七五三・卒業式・成人式などのイベントでかかるお金も加えます。

これが、子どもが成長するために必要なおおよその「生活費」です。

では、前回の「教育費」と合計してみてください。その額の大きさにびっくりしませんか?

この総額を、夫婦の収入の割合で負担しましょうというのが養育費の考え方です。なので、妻が専業主婦などの場合は、収入の多い夫が大部分を負担していくことになります。(※ただし、これで絶対に固定、というわけではありません。のちのち事情が変わったときには養育費の増減も可能、という取り決めをつけることもできますし、その取り決めをしていなくても、事情が変わったときには増額や減額の請求をする余地はあります。)

養育費をもらっている人と、もらっていない人では、ここまで大きな金額の差が出てしまうのです。そして、その影響を一番に受けるのは子どもたちです。アルバイトで家計を助けている子どもも多く、そのために十分な勉強ができなくて希望の職業に就けなかったり、進学をあきらめなくてはならなかったりすることも。

そもそも私たちには、子どもに教育を受けさせる義務があります。そして子どもには適切な教育を受ける権利があります。離婚をしてもその権利を守ってあげるためには、離婚の際にしっかり養育費の取り決めをしておくことが大切なのです。

養育費は必ず書面で取り決めること。できる限り公正証書にすること。子どものために、忘れないでくださいね。