離婚後、子どもを元夫と会わせたくない?
親権者ではないほうの親(たいていはお父さん)も、離れて暮らす子どもと定期的に会ったり、電話やメールやメッセージなどでつながりを持つことが認められています。この「離れている親と子どもとの交流」のことを、「面会交流」といいます。
面会交流で、子どもがお父さんとのつながりを保っておくことには、いくつもメリットがあります。 例えば、
- お父さんの愛情を確認できる
- 進学などでの援助をしてもらえる可能性
- 何かあったときに頼れる人の存在の大きさ
- 自分の親のひとりであるお父さんとの会話
なので、相手が暴力をふるう、などの理由がない限り、面会交流はする方向で考えることになります。
とはいっても、離婚までの状況によっては、「子どもを元夫と会わせるのは、どうしても嫌!」という方もいらっしゃるでしょう。離婚の理由が相手のモラハラや不倫、というときには、面会交流の予定確認の連絡をとったり、受け渡しのときに顔を会わせることで、暴言をあびてしまったり、フラッシュバックを起こしてしまうことも考えられます。
そんなときには、面会交流をサポートしてくれる支援団体を使って、夫婦の間に入ってもらうことを、考えてみましょう。代表的なところだと、
それ以外にも、いくつか団体がありますし、地域の社会福祉協議会や、役所の女性支援担当の窓口でも相談できます。補助のある自治体もありますので、ぜひチェックしてみてください。
支援団体は、面会交流日前のやりとりを代わりにしてくれたり、面会の場所を提供してくれたり、面会の日に付き添いをしてくれたり、受け渡しだけを変わってくれたり、などのサポートをしてくれますよ。また、こういった支援機関を使うことが予想されるときは、利用料金の負担はどうするのか、も決めておいてくださいね。
面会交流は、教科書的には「親が子に会う権利であり、子が親に会う権利」といわれています。それに加えて、私個人的には、「子どものルーツを維持してあげること」だと考えています。
子どものDNAの半分はお父さん。大きくなった子どもが、
「自分のお父さんはどんな人だったんだろう」
「こんなとき、お父さんだったら何ていうだろう」
「お父さんは自分のことをどう思っているんだろう(どう思っていたんだろう)」
という思いが出てくる日が、きっとあるはず。そんな子どもの気持ちを受け止められて、子どもの心の拠りどころとなる関係が築くことが、面会交流の意義のひとつだと思うのです。