慰謝料、私はもらえる?いくらもらえる?

昨日は、私がスタッフをしている「アスペルガー・アラウンド」のミーティングに、飯田橋まで行ってきました。久々にリアルでの会合。zoomは便利ですが、やはり直接会うことで感じられること得られることの多さを、しみじみ感じます。

慰謝料はいくらもらえるのか、金額と天秤にかけている図

最近、慰謝料についてのご質問を続けて受けました。離婚のときには慰謝料がもらえるんじゃないか、と思っている方、けっこういらっしゃいます。芸能ニュースでも慰謝料がよく話題になるので、離婚と慰謝料はセットのように感じがちなのかもしれません。

ですが、実際はそうではありません。

慰謝料というのは、「相手の不法行為によって受けた精神的(肉体的)苦痛にたいして支払われるお金」、わかりやすく言い換えると、『私のせいであなたにつらい思いをさせてしまってごめんなさい。このお金で許してください』という意味で支払われるお金のことを言います。

では、慰謝料を請求できるのはどんな場合でしょうか。具体的に見ていきますね。

慰謝料は、苦痛を受けた側が、法律で決まっている離婚原因を作った側(有責配偶者といいます)に請求してもらうことができます。なので、妻が夫に支払うケースもあります。

ここでいう、「法律で決まっている離婚原因」というのは、次の5つです。

  1. 配偶者の不貞行為(いわゆる浮気)
  2. 悪意の遺棄(生活費を渡さずにどこかに行ってしまい、帰ってこない)
  3. 配偶者の生死が3年以上明らかでない(船が沈没して行方不明など)
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがない(病状によりケースバイケース)
  5. その他婚姻を継続しがたい重大な事由がある(性格の不一致、宗教の問題、親族とのトラブル、浪費、働かない、ギャンブル、犯罪など)

この離婚原因を相手方が作ったときに、慰謝料を請求できるのです。どちらにも責任がある場合や、相手に責任がない場合は請求できません。

慰謝料の金額は、調停や裁判で争ったときにはだいたいこのくらいになる、という目安はあるもののケースバイケースで難しいので、自分の状況に応じた金額が知りたければ、個別に弁護士に相談するとよいでしょう。ただ、協議離婚では、ふたりが納得いく金額ならいくらでもいいので、まずは夫婦の話し合いでの合意を目指します。

  • 離婚の原因や婚姻期間
  • 精神的苦痛の程度
  • 相手の資力
  • 離婚に至ったか至らないか

などを総合的に考慮して、相手がいくら払えるか、という観点で、お互いが納得のいく金額での合意を目指すことをおすすめします。その際には、あくまでも、現実的な金額を提示しましょう。例えば、平均的な収入の相手から慰謝料3000万円、というのは難しいですよね(子どもがケンカで「100万回謝って!」と言っているのに近い感じですね)。

そして、慰謝料は、相手が有責で、それを立証できないと請求できない、というのが原則です。なので、相手に離婚を切り出す前に、不倫やDVなど、自分の受けた苦痛を客観的に示すための証拠をしっかり集めてください。

また、慰謝料の請求には時効があることに気を付けましょう。

基本的には、損害および加害者を知ったときから3年以内、かつ不法行為があった日から20年以内に請求を行う必要があります。

ただし、DVなどの生命・身体を侵害する不法行為に対しては、離婚成立後5年まででしたら、請求が可能です。