生活保持義務 と 生活扶養義務

子どもがまだ小さかったころの、うちの夫の話です。

家族4人で割り切れない食べ物(プチケーキ10個、とか)があったり、小皿に取り分けた分量に差があったりするとき。

私としては、子どもが大好きな食べものは、大きいポーションを子どもに譲りたい。

でも、夫は、「僕は残りの人生が短いけど、君たちは食べるチャンスはたくさんある。だから僕がもらう!」と、本気で言っていました。

婚姻費用分担の考え方

ひとつの食べ物を、家族でどうやって分け合うか。

この考え方の違いが、「生活保持義務」と「生活扶助義務」の違いです。

よく出される例が、「一杯のかけそば」。かけそばを「分け合う」関係か、「自分が優先して食べて、余ったらあげる」関係か。

婚姻費用・養育費の支払いは、この「生活保持義務」に基づいています。

つまり、夫婦あるいは親子である以上、自分と同じレベルの生活水準=かけそばを分け合う、という関係で、算定額の基準は、かけそばのどんぶりの大きさとかそばのグレードとかによる、と考えます。

ちなみに、「生活扶助義務」は、成人した子や兄弟姉妹、叔父叔母などが生活に困っているような場合にあてはまる考え方です。自分の生活を守ったうえで、なお余力があったときに助けてあげればよい関係です。

つまり、義務の程度は、

生活保持義務 > 生活扶助義務

これらはすべて、民法に規定されています。

ですので、婚姻費用や養育費の額を考える際には、

「いっぱいのかけそばを、家族で分け合う」イメージを大切にしてくださいね。

婚姻費用・養育費についてわからないことがありましたら、ご連絡ください。