年金分割をするなら、余裕を持って動き始めましょう
年金事務所に「年金分割のための情報提供請求書」を提出しましょう
用紙は年金事務所で受け取るほか、年金事務所に電話して郵送してもらうこともできます。ホームページからダウンロードもできます。
用紙を見ていただくとわかるのですが、過去の年金加入歴など、記載事項を埋めるのに、自分の職歴を振り返ったりする必要があります。また、免許証などの本人確認書類や年金手帳、認め印のほか、婚姻期間を確認するための戸籍謄本が必要なので、本籍地が遠い方は郵送申請をするなどして、準備をしておきましょう。
請求してから回答がくるまでだいたい3週間程度かかるので、子どもの学校の年度末のタイミングで離婚をしたい、など、離婚の時期を決めている場合には、早めに「年金分割のための情報提供請求書」を出すようにしましょう。
また、自宅に郵送してもらうほかにも、離婚前でパートナーに年金分割を準備していることが知られたくないという場合は、年金事務所での窓口で受け取ったり、送付先を実家や友人の家にしたりすることも可能です。
50歳以上なら、年金分割をした場合の年金見込額も教えてもらいましょう
「年金分割のための情報提供請求書」を出す際に、請求者が50歳以上の場合には、希望すれば年金分割をした場合の年金見込額を一緒に教えてもらうことができます。
つまり、年金分割をしなかった場合の年金見込額と、上限50%で年金分割した場合の年金見込額、それ以外の按分割合で分割を記入した時にはその年金見込額を教えてもらえるので、年金分割をした場合には、どのくらい年金額が増えるのか(または減るのか)がわかります。
なお、「年金分割のための情報提供請求書」は夫婦二人一緒に出すことも、一人だけで出すこともできます。
「年金分割のための情報通知書」をもとに、話し合って按分割合を決めます
情報通知書に「按分割合の範囲」が記載されているので、その範囲で年金記録を分割する割合(按分割合)を決めます。
ただ、裁判所の判断では50%以外になることはほとんどありません。厚生労働省の統計でも約97.5%の夫婦が0.5(50%)としています。
離婚後、年金事務所で手続きをします
協議離婚の離婚届をした後に、原則2人で年金事務所に行って手続きします。
ただ、離婚した後に一緒に年金事務所に行くのを嫌がる場合も多く、その場合は、代理人が請求手続きをすることもできます。ただし、代理人が手続きをする場合でも、「元夫の代理人と元妻本人」「元夫本人と元妻の代理人」「元夫の代理人と元妻の代理人」のように必ず2人で一緒に行く必要があります。また、そもそも手続き自体をしぶって、協力をしてくれないケースもあります。
それを避けるために、離婚届提出前に2人(あるいは代理人を立てて)で公証役場に行き、公正証書を作成するか、私署証書の認証をしておくという方法があります。この場合は、夫婦のどちらかひとりだけで手続きができます。
年金事務所から「改定通知書」が夫婦それぞれに届きます
後日、年金事務所から「手続きが完了しました」という通知が届きます。これで年金分割の手続きは完了です。