カサンドラ症候群ってどういうこと?
ここ数年で、「大人の発達障害」が広く知られるようになり、それに伴って「カサンドラ」ということばもずいぶんと認知されてきたことを実感しています。
その証拠に、この1週間でお会いした方を振り返ると、
「インターネットでカサンドラということばに出会って、今の私はこれだ!と思いました」
という方が複数いらっしゃいました。
今の時代、検索ワードがうまくヒットすると、案外と簡単に「カサンドラ」にたどり着くことができます。ですが、「カサンドラとはどういうことか」世間に正しく伝わっているかという点では、もう少しかな、という感じがしています。
例えば、カサンドラは妻がなるもの、というイメージ。
確かに、カサンドラ=妻という情報が多いですが、実は、職場カサンドラ、親子カサンドラ、兄弟間カサンドラ、どれも特別なことではありません。
そうはいっても、身近に「カサンドラ」なんていないよ、と思いますよね。では、今まででこんなこと、聞いたことありませんか?
「ちょっと変わっているタイプ」の上司や同僚と、仕事上深くかかわる中で、
- 思うように意思疎通がとれなくてイライラ
- 話がなぜか行き違う
- 上手くいかないのは自分の指示が足りなかったのか、と、やり方を変えてみる
- それでもうまくいかないのは、自分のせいなのか?と、振り返ったり反省したり
- 人事異動もなく、逃げ場がない
- ついには体調を壊して、会社に行けなくなってしまう
職場理由で自立支援の申請をされるかたの中には、こんな「職場カサンドラ」さんも含まれているのでは、と想像しています。
そして、これと同じことが家庭の中で起こっているのが、「家庭内カサンドラ」です。
カサンドラ、というのは、人と人との関係によって起こってくる状態のこと。自分には関係ない、と思っている方でも、カサンドラ状態になる可能性はあります。というよりも、認識がないまま今現在カサンドラ状態で、モヤモヤ鬱鬱を抱えている方、すでにたくさんいらっしゃるのでは・・・。
「カサンドラ」は、決して発達障害と敵対するものではないと思っています。ただ、単なる組み合わせの問題なだけ。どちらが悪いわけでもないし、どちらかだけが譲る必要もない。
とはいっても、上手くやっていくためには、特性を含めてお互いのことを知り、歩み寄ることが必須です。そして、その過程には、時間もパワーも必要。これが、夫婦関係でいうところの「修復」です。
「修復」が難しいときには、物理的に離れる(別居・離婚)ことも、ひとつの道だと思います。たとえそうなっても、誰のせいでもないので、相手も自分も責めないように。