覚醒レベル:ボーっとしがち?興奮しがち?

「話し合いをしているときのパートナーの態度が気になるんです。」

こうおっしゃる方が時々いらっしゃいます。

詳しく聞くと、こちらが真剣に話をしているのにボーっとしていたり、逆に興奮して歩き回ったり、イライラしている雰囲気をふりまきながら激しく貧乏ゆすりをしていたり。まじめに話し合いに臨んでいる感じがしないのです、と。

こんなとき、もしかするとパートナーは「テンションの高さ」をコントロールできていないのかもしれません。「覚醒レベル」の調整が苦手な可能性がある、とも言い換えられます。

ところで、「覚醒レベル」とは何でしょう?

覚醒レベルというのは、ひとことでいうと「脳が目覚めているときの状態」をいいます。

私たちは、この覚醒レベルを、場面に合わせて上げたり下げたり、うまい具合に調整しながら生活しています。

例えば、会社で大切な仕事の話を聞くときには、注意深く聞くために落ち着いた脳の状態にしています。けれど、友人とカラオケで楽しく盛り上がるときには、気分をあげる状態にしています。このような感じで、私たちはシチュエーションに応じて、気分や感情の波を無意識にコントロールしているのです。

最初の例に挙げたパートナーは、もしかするとこの無意識のコントロールが苦手で、「離婚の話し合い」という場面にふさわしい覚醒レベルがうまく作れていないのかもしれません。これはアスペルガーの人だけにみられる特徴ではなく、どんな人でもうまく調節できなくなる可能性があります。そうなる要因は、ストレスや心の葛藤など、いろいろだそうです。

離婚の話し合いはただでさえ大きなストレスがかかるもの。感情を整えて冷静さを保つことは難しいことです。ですが、話し合いをスムーズに運ぶためには、ちょうどよい覚醒レベルを保てるような落ち着いた環境づくりは大切です。音や光などの刺激や不安要素などをあらかじめ調整して、ふたりが安心して話し合える準備を心がけてみましょう。