娘への接し方がわかっていない、アスペルガー傾向のあるお父さん
アスペルガーなどASDの特性をもつお父さんと、思春期の娘さん。この関係がこじれていることは、めずらしくありません。
ひとつのパターンはこんな感じです。
父 「(娘ちゃん)いつもかわいいね~(頭をなでる)」
娘 (・・・お父さん苦手。近くにこないでほしい・・・)
父 「どうしてむすっとしているの!?パパのことが嫌いなの!?」
こうなってしまう理由は、このお父さんに、「親としての対応は、子どもの成長に従って変えていくもの」ということを「教えてもらう」機会がなかったから。
・・・そんなこと、教えてもらわなくても、「普通」分かるでしょ。と思われるかもしれませんね。
ですが、自分の考える「普通」が、パートナーにとっても「普通」とは限りません。そして、アスペルガーの方のなかには、「状況に応じて臨機応変に対応を変えていくこと」が苦手な方が多くいらっしゃいます。一度うまくいったやり方なら、次もその次もうまくいくだろう、と考えて、自分なりの「パターン」を作り上げている方も多いです。
なので、娘さんが誕生して幼児期へと成長する時期にインプットされた、小さい子向けの「コミュニケーションのとりかた」で、思春期の娘さんに接してしまうのです。例えば、
あたまをなでたり、髪やほっぺたを触ったり、添い寝をしたり、「パパのこと好き?」としつこく聞いてきたり。
距離感が近すぎる感じがしますね。家庭の雰囲気や文化的な背景にもよりますが、思春期の娘さんが「お父さんやだ」と思うのも分かる気がします。
けれど、お父さん本人は、大好き!という気持ちを、自分が正しいと思っている方法で表現しているだけ。なぜ煙たがられてしまうのか、理由がわからない。
そういうお父さんには、
子どもの成長には、幼児期・子ども期・思春期、のようなステージがあること
それぞれのステージによって、接し方を変える必要があること
を、知ってもらうことが、とても大切です。
そして、娘さんの年齢に応じた適切な対応を、「『〇〇』って声をかけると喜ぶよ」 などと具体的に教えて、「コミュニケーションのとりかたマニュアル」をアップロードしてもらいましょう。
ただでさえ会話がぎくしゃくしがちな思春期に、父娘の関係がこじれてしまうとお互いにイライラがつのってしまうものです。それを見ているお母さんも、夫の言動にイライラしてしまったり。。。そんなループにはまっているときには、ぜひ、お父さんに「今までとは違ったコミュニケーション方法の必要性」をレクチャーしてみてくださいね。