元夫から子どもへのプレゼント
(お母さんが親権者、お父さんが子どもと離れて暮らす、という前提でお話します)
「離婚後は、元夫と一緒に暮らしていたときのものを全部捨てちゃって、自分と子どもの好きなものだけに囲まれて過ごしたい!」
そう思っている方、多いですよね。とってもよくわかります。
「もの」には、買ったときの状況とか思い出とかのような、そのものにまつわる「いろいろな何か」がまとわりついているような気がしませんか。「気」のようなものを放っているような・・・
それが「楽しくてポジティブな気」だったらいいのでしょうけれど、
「元夫にまつわるつらくて苦しい思い出」オーラを発しているものが部屋にあったら、眼に入るたびに、いろいろなことを思い出してしまいそうです。
では、心機一転、自分だけの空間で新生活のスタートを切ったと思った矢先、面会交流のたびに、子どもが元夫からのプレゼントを持って帰ってきたらどうでしょう?
毎月、夫からのものが家に増えていく・・・
抵抗あるかたも多いのではないでしょうか。
気持ちの面だけでなく、子どもの欲しがるままに買い与えることは教育上いいともいえないし、まさかの巨大ぬいぐるみや室内ジャングルジムなどをもらってきてしまって、物理的に部屋のスペースを圧迫してくることだってあります。
日常の大変な部分は私まかせなのに、元夫はものを買ってあげて喜ばせるという「いいとこどり」で、子どもの気持ちをモノで釣ろうとしているんじゃないの?と思えてきても不思議ではありません。
もちろん、夫の「プレゼントを買ってあげたい」「子どもの喜ぶ顔が見たい」という気持ちは自然なものです。買い物を楽しんだり、買ってあげたおもちゃで一緒に遊んだり、という意味でも、プレゼントは離れて暮らす親子の関係を結ぶ潤滑剤にもなり得ます。
そういったことを考慮して、
離婚の話し合いで、お父さんから子どもへのプレゼントについて、取り決めておいてもいいでしょう。
例えば、こんな取り決めも可能です。
誕生日、クリスマス、お正月にだけプレゼントを認める
プレゼントの大きさに制限をつける
プレゼントの価格を、社会通念上相当な限度に留める(プレゼントは常識的な値段のものにしなさいね、という意味です)
会うたびに何かを買ってもらっていると、子どもにとって「買ってもらうことが当たり前」になってしまいます。さらには
「お母さん、〇〇買って~」
「今度お父さんに買ってもらいなさい」
というように、父親の役割が「ものを買ってくれる人」になってしまうのは、望ましいとはいえませんよね。毎回となると、父親の出費も大変です。
なので、「プレゼントは誕生日やクリスマスなどの特別な日に限定」という条項、個人的にはおすすめだと思っています。
子どもは、特別な日にだけにもらえるプレゼント!とわくわくしながら待つ楽しみを味わえるし、買う父親も楽しく、買ってもらう子どももうれしい、といういい関係が保てるのではと思うのです。
離婚の話し合いでは、子どもの幸せを一番に考えましょう。離れて暮らすことになっても、親子の絆は変わりません。
子どもと両親がいい関係でいられるためにはどうしたらいいのか
それを離婚協議書に落とし込むためには、何をどう決めたらいいのか
しっかり話し合いをしてほしいと思います。
分からないことがありましたら、お尋ねくださいね。