「嫌なことは嫌と言いましょう」ってどういうこと?

いやなことはいやといいましょう、と言われても、そんなの理想論に聞こえませんか。私はそう思っていました。私がいちいち嫌と言っていたら家がまわらなくなるだろう、と。

でも、ある時、この言葉の意味を誤解していたことに気がつきました。「嫌なことを嫌と言う」というのは、「嫌なことを放棄する」ということではないのです。正しくは、「嫌だからやらないのではなく、嫌なのだと口に出しましょう」という意味だったようです。

たとえば、夫が「明日どうしても着なくてはいけない服がまだクリーニングやさんだ」と言ったとします。外は雷雨です。「さすがに今出かけるのはちょっとなあ」と思っていると、「僕は明日の仕事の用意があって忙しいんだよね」と言っている。あなたならどうしますか?

心の中で(はいはい。行けってことですね)とぶつぶつ言いながらクリーニング屋さんに行ったりしませんか。引き取ってきた服を手渡すときにもまだ「何で直前に言い出すの!?よりにもよってこんな天気の日に。」というネガティブな気持ちが残っているかもしれません。

そんな時、まずは「雷雨だから今は出たくないな」と一度気持ちを口に出してみる。「どうしても明日必要なんだ」と言われて、どちらにしても出かけることになるにしても、一回は嫌と言うことが大切だということです。そうすることで、心の中にモヤモヤした気持ちが蓄積されにくくなるそう。なんだか、わかる気がします。

大人になると、家庭でも社会でも、「嫌なものは嫌」と表現するのが難しい場面も多いですよね。ですが、「いやな気持ち」がたまりそうな場面では、「本当は嫌なんだよね」と口に出せるか試してみてはいかがでしょうか。